このページでは、冬のイチゴ(苺)のプランター(コンテナ)や鉢の置き場所と休眠打破についてご紹介しています。
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イチゴ(苺)は、秋に苗の植え付け(定植)を済ませた後も生育がしばらく続き、10月中旬〜11月頃の低温条件、短日条件下での花芽分化のあと、次第に葉が小さくなりロゼットと呼ばれる矮化した姿で休眠に入ります。
休眠中もイチゴの株は光合成を続け、光合成によって生成された栄養は根に蓄えられます。そのためプランター(コンテナ)、鉢で栽培している休眠に入ったイチゴ株は、目安としては年が明ける頃まで、陽当たりの良い戸外の冬の低温下に置いてしっかりと根に養分が蓄えられるように管理します。
冬に収穫を目指す促成栽培では温室などを使って保温した環境で夜間電照を行いますが、自然状態での栽培では、連日氷点下が続く寒冷地や強い霜の降りる地域を除けば、イチゴ株の保温は必要ありません。
またイチゴは一旦休眠に入ると、一定期間5℃以下の低温に当てることで休眠から目覚めます。
こうした一定期間低温に当たることで休眠から目覚める過程を休眠打破といいますが、どのくらいの時間低温に当てるかはイチゴの品種によって違いがあります。
イチゴは寒い冬の間タンポポのようにロゼットと呼ばれる矮化した姿で休眠に入ります。
植物の種類によっては、一旦休眠に入っても、気温が上がると休眠から目覚めるものもありますが、イチゴは休眠状態に入ると、暖かい場所に移しただけでは生育を再開したりランナーを出したりしません。
その理由は、もしも冬の間に、天候の変化によってたまたま暖かい日が数日続いた時、それを春が来たと感じて茎や葉を展開してしまうと、再び寒さが戻った時「寒害」によって枯れてしまうからです。
そこでイチゴは、一時的な気温の上昇に惑わされることなく冬の期間を間違いなく休眠して越えるために、一定期間5℃以下の低温に当たらなければ休眠から覚めない仕組みを身に着けているのです。
こうした、休眠中に生育に適した気温になっても、一定期間低温に当てないと休眠から目覚めない休眠状態を「自発休眠」といい、一定期間低温に当てて休眠から目覚めさせることを「休眠打破」といいます。
一般的に自然休眠の休眠打破に必要な低温要求量は「5℃以下の低温環境での積算時間」で表され、5℃以下の低温にどのくらいの時間当たれば休眠から目覚めるかは、イチゴの品種によって違いがあります。
ハウス栽培に多く用いられる「とちおとめ」「とよのか」「章姫」「さちのか」などの休眠の浅い品種ではおよそ100時間〜200時間、休眠の深い品種では1000時間を超える品種もあります。
基本的には冬の期間が短い暖かい地域で作出された品種は低温に当てる時間が短く、冬の期間が長い北国で作出された品種は、低温に当てる時間が長くなる傾向があります。
こうしたイチゴの休眠と休眠打破の関係から、年内いっぱいは、プランター(コンテナ)、鉢植えのイチゴ栽培でも、戸外の寒い場所に置いて一定期間低温に当てる必要があるので、イチゴ株が凍結するようなことが無い限り防寒を行わすに管理します。
ただし、地面が凍結するような寒冷地や強い霜の降りる地域では、イチゴ株の凍結枯死を防ぐために、ある程度の防寒対策が必要になります。
防寒対策の方法として、簡易温室を利用したり、トンネル支柱に不織布をかぶせたり、寒冷紗を使ったりといった方法が効果的ですので、寒冷地での栽培では検討してみてください。
また、冬のイチゴ株の防寒対策には、たとえば、家の壁が比較的明るい色であれば、壁面近くにイチゴ(苺)の苗を植えたプランターや鉢を置いて、太陽からの直接光だけでなく、壁面の反射を利用するというのも良い方法です。
太陽からの直接の光と、壁面からの反射でイチゴ(苺)苗を温めることができますから、南向き以外の場所でも暖かい環境を作り出すことができるようになります。
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