一季なり(性)イチゴ品種のライフサイクル

 イチゴ(苺)は、家庭菜園やガーデニングで一度は育ててみたいと思う人気の高いフルーツ野菜ですが、甘くておいしいイチゴを上手に育てる上で、年間を通したライフサイクルについて知っておくことはとても大切です。

 このページでは、もっとも一般的な一季なり(性)イチゴ品種のライフサイクルについてご紹介しています。当サイトのすべてのページは、本文下の総合ページリンクからご覧いただけます。


●開花・結実(4月〜5月)

 一季なり(性)イチゴは、静岡県原産の章姫(あきひめ)、紅ほっぺ、栃木県原産のとちおとめ女峰、福岡県原産のとよのか、兵庫県原産の宝交早生(ほうこうわせ)などが代表的な品種として知られています。

 春は一季なり(性)イチゴが休眠から目覚め、新しい葉が開き、花を咲かせ果実を結びます。イチゴの果実は、春の陽射しを受けながらおよそ40日〜50日で赤く色づき、甘いイチゴが収穫できるようになります。

 寒い冬の時季を休眠して乗り越えた一季なり(性)イチゴは、春の訪れとともに気温が上がり、日長が長くなってくるのを感じ取って生育をはじめます。

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 ロゼット状のイチゴの株から緑の葉が次々と出始めて、その後から花房(かぼう)が伸びてきます。やがて気温がおよそ10℃を超える日が多くなってくると開花が始まります。

ミツバチのイラスト画像ミツバチのイラスト画像

 開花が盛んになってくると、花に集まってくるミツバチやマルハナバチなどの訪花昆虫たちの助けを借りて受粉が行われます。このように、花の蜜を求めてやってくる 昆虫たちによって受粉が行われる花のことを虫媒花(ちゅうばいか)といいます。

 虫たちによって受粉が行われ、やがてイチゴの果実(果托 )が作られたあと、春の陽射しを受けながらおよそ40日〜50日で赤く色づいた甘いイチゴが収穫できるようになります。


●親株の育成(6月〜7月)

 春の収穫を終えた一季なり(性)イチゴは、ランナー(ほふく茎)を出してその先に子苗を作ります。秋の植え付けに備えて丈夫な親株を育てるのがこの時季です。

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 春から初夏にかけてイチゴの収穫を終えると、イチゴの株からランナーと呼ばれる匍匐(ほふく)茎が伸び始めます。そしてその先にイチゴの子苗ができます。

 伸びていくランナーの先にできた子苗は、地面に根をおろします。秋に植え付けをする一季なり(性)イチゴは、この時季にできた丈夫な子苗を新しい親株として育てます。


●子苗の育成(8月〜9月)

 夏の終わりから秋にかけて、イチゴの株から伸びたランナーから選びとった子苗が育ったら、古い親株から切り離して畑やコンテナに仮植えをして新しい親株として育てます。そして、秋深まる前の10月上旬頃に畑やコンテナに定植します。

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 一般的に、収穫を終えたひとつのイチゴの親株から、およそ30本以上の子苗ができますので、8月〜9月にかけて、このなかから元気の良い子苗を選んで切り離し、畑やコンテナに仮植えをします。

 植え付けられた子苗は、8月〜9月にかけての高音と長日条件のなか、鮮やかな緑の葉を広げ、クラウン(成長点)と呼ばれる太い茎を出して生長します。この子苗を親株として育てて、10月上旬〜下旬にかけて植え付け(定植)を行います

イチゴ(苺)のクラウンの写真
(中央に見えるのが”クラウン”です)

 ちなみに、”クラウン”というのは、外観がちょうど王冠のような形に見える、苗の中心付近にある新しい生長点のことです。ここから新しい葉や茎が伸びて、やがては甘くておいしい果実を実らせる株に成長します。

 一季なり(性)イチゴは、秋から冬にかけての低温と徐々に陽射しが短くなっていく短日条件を感じ取って花芽分化が始まります。

 十分に育った子苗は、秋の気温の低下と短日条件のもとで、クラウン(成長点)に花芽をつけ始めます。花芽分化が始まる時期は、イチゴの品種や育てている地域の気候によっても違いますが、およそ9月の中旬から下旬にかけてが目安になります。

 その後、秋が深まる10月に定植し花芽をつけたイチゴの株は、新しい葉を開いて生育していきます。

 やがて、さらに秋が深まり気温が下がると新しい葉の展開が止まり、イチゴの株は地面に張り付くような形のロゼット状になり休眠の準備が始まります。


●イチゴの冬越し(12月〜翌2月)

 秋に定植した一季なり(性)イチゴの新しい親株が土に根付くと、寒さがさらに厳しくなる冬に備えてロゼットと呼ばれる、土に張り付くような姿で休眠状態に入ります。翌年の春に十分な収穫を得るには、この状態で低温に当てることが必要です。

 一季なり(性)イチゴは、ロゼットと呼ばれる姿で休眠して冬を越しますが、その間も光合成が行われ、光合成によって生成された栄養は根にたっぷりと蓄えられます。

 その後5℃以下の低温に一定期間当たることによってイチゴの株は休眠から目覚め(休眠打破といいます)、根に蓄えた栄養を使って、春の気温の上昇とともに再び活発に生育を始めます。

 そのため、露地栽培で春にイチゴ苗が元気に生長して充実した果実をつけるためには、しっかり休眠して根に栄養をたっぷり蓄えることが重要です。

 ですから、冬に保温して夜間電照によって収穫する促成栽培を目指す場合や、地面が凍結したり強い霜が続くような寒冷地でもないかぎり、露地栽培では、基本的には温室などの暖かい環境に移動したりする必要ありません。

 ただし、長期間0℃以下になるような地域では、霜による障害を防ぐためにマルチングや敷き藁での防寒対策が必要になります。

●マルチングとは?

 マルチングは、土の水分の蒸発の防止、地温の保持、水はねなどによる病気感染の防止などの目的で、、ワラ(藁)やポリフィルムなどを使ってイチゴなどの作物の株元を覆うことをいい、とくに畝やプランター(コンテナ)、鉢などで栽培するイチゴの露地栽培では欠かせない作業です。


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